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Subject: 無限アセンブラ __
       アンダースン& ビースン
From: kono@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji KONO)
Organization: Information Engineering, University of the Ryukyus
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Date: Sun, 14 Mar 2004 11:30:04 +0900
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河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

93年の「異星人ナノテク」物ですね。タイトルが内容に比べて
かっこ良すぎ。

月の観測装置に異常が発見されて、それが異星からのナノロボット
によるものであることがわかる。月は隔離されてしまうが、ナノロ
ボットは巨大な建造物を作り始める。一方で、南極にいるパーヴ博
士は、独自にナノ研究を進めていたのだが... 

話は良く書けていると思います。佳作です。が、名作じゃないんだ
よな。それは、たぶん、この事件を通して誰も成長している人がい
ないからなんじゃないかな。単なる事件になってしまっている。人
間関係も良く書けているとは思うんだけど、なんかERみたいな感じ。
面白く読める人もいると思うけど、僕には少しずれているかな。

93年のナノテクに対する夢みたいなのを膨らませるとこんな風にな
るんでしょうね。でも、「ブラッド・ミュージック」を越えられな
いのは、ちょっと枠がありすぎるからだと思う。

ナノテクに関する描写が曖昧なのは仕方ないかな。アナロジーとし
ては細菌研究所みたいな感じなんだけど、どうも外れている気がす
る。ナノロボットにX線が有効な理由が良くわからない。月の隔離
が破られる理由も説明なしだし。何かナノロボットの動力に関する
説明とかあれば良かったんだけど、それだと、逆にうさんくさくな
るのかなぁ。

ナノテクは結局どうなるんでしょうね? まだ最初の10年だし、
どうなるかわからないところもあるけど、

    動くための動力や、化学反応のためには、
    それに見合った入力と出力がいる

と思う。巨大な構造物を作ったり、たくさんの自己複製を作ったり
すれば、それに対応した廃棄物がでるんじゃないかなぁ。熱だけで
るってのは、ちょっと理想的すぎ。

ナノロボットが巨大な構造物を作るってのはインパクトはあるんだ
けど、スケール的なギャップを埋めるには、なんか中間構造物があ
るのが普通だと思う。自分の大きさの1000倍のものをいきなり、自
分だけで作るってのは不可能。だとすれば、最初に自分の10倍程度
のロボットを作るんじゃないかな。それを何段か繰り返すみたいな
感じでさ。

---
Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科
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