ブール代数補足とカルノー図


ブール代数の計算の例

(1)教科書P40 問題2.5

 f=(A+B)・(A・B)' = A・B' + A'・B を証明する。

前回説明した公理や公式をもちいる。

  f=(A+B)・(A・B)'
ドモルガンの定理を適用すると  =(A+B)・(A'+B')
分配則で展開すると =A・(A'+B') + B・(A'+B')
さらに、分配則で展開すると =A・A' + A・B' + B・A' + B・B'
相補則で変形すると、 =0 + A・B' + B・A' + 0
吸収則により’0’は消えるので =A・B' + B・A'

 

(2)教科書P48 演習問題2.5(1)

A + A'・B = A + B を証明する。

  A + A'・B
吸収則でAをA・1と考える  = A・1 + A'・B
相補則により1=B+B'と考える  = A・(B+B') + A'・B
分配則により展開する = A・B + A・B' + A'・B
べき等則によりA・Bを2項にする  = A・B + A・B + A・B' + A'・B
可換則により計算順序をかえる = (A・B+A・B') + (A・B+A'・B)
分配則で因数分解すると =A・(B+B') + B・(A+A')
相補則により =A・1 + B・1
吸収則により =A + B

 

真理値表からの加法標準形の作り方

以下の真理値表から加法標準形のブール式の作り方。

入力A 入力B 入力C   出力f
0 0 0   0
0 0 1   1
0 1 0   1
0 1 1   0
1 0 0   1
1 0 1   0
1 1 0   0
1 1 1   1

f = A'・B'・C + A'・B・C' + A・B'・C' + A・B・C

となる。

 

真理値表からの乗法標準形の作り方

f = (A+B+C)・(A+B'+C')・(A'+B+C')・(A'+B'+C)

となる。

これを展開すると、ちゃんと f = A'・B'・C + A'・B・C' + A・B'・C' + A・B・C になります。

 


カルノー図による論理関数の簡単化(教科書4.3、P97)

ORの真理値表
入力A 入力B 出力f(A、B)
0
  f = A'B + AB' + AB
Aでくくると、 =A・(B+B') + A'・B
相補則により、  =A + A'・B
  うまくORの形にならない。
再度挑戦 f = A'B + AB' + AB
べき等則 = A'・B + A・B' + A・B + A・B
  = (A・B+A'・B) + (A・B+A・B')
分配則で因数分解すると、  =(A+A')・B + A・(B+B')
  =B+A

 

そこでカルノー図を用いて式の簡単化をする(教科書4.3.2 P98)。

2変数のカルノー図 2入力ORのカルノー図
2入力ORのカルノー図 2入力ORのカルノー図

 

3入力のカルノー図

3変数のカルノー図

 


クイズ4  学籍番号 名前 日付 を書いて 提出すること。

1) 教科書演習問題 2.5(2) A・(A' + B) = A・B をブール代数の性質をもちいて証明せよ。

(ヒント:これはめちゃ簡単!)

2) 教科書演習問題 2.5(3) (A・B + A'・B')' = A・B' + A'・B をブール代数の性質をもちいて証明せよ。

(ヒント:ドモルガンの定理を用いる)

3)以下の真理値表をカルノー図で表し、隣接する1があれば○で囲み、その結果より出力関数fのブール式を求めよ。

???の真理値表
入力A 入力B 出力f(A、B)

宿題4  学籍番号 名前 日付 を書いて 提出すること。

1) 教科書演習問題 4.2(ii)をカルノー図を用いて、簡単化せよ(加法標準形)。

2) 教科書演習問題 4.2(iv)をカルノー図を用いて、簡単化せよ(加法標準形)。

3) 教科書演習問題 4.1

以上